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#1673:焔の月 2日目
(街じゅうが浮き足立っている
忙しなく通りをゆく人びとの気配は私を眠りの底から叩き起こすが
私は骨の髄まで染み付いた緩慢な痛みのためにしばらく動き出すことが出来ない
(ここを出るって?
(タルタスから?
(ここではいつも誰かがそんな話をしていた
叶うことがないと知れるや、また別の誰かがその話を口にした
伝播した傍から潰えてゆく夢
(ここから出るって?
(この――
(アンジニティから?
(無数の口のあいだを同じ言葉が飛び交っている
(同じ言葉が(壁に
(同じ言葉が(壁に穴が
(同じ言葉が(壁に出口が!
(私はその波の中から抜け出さなくてはならなかった
ここで平穏無事に過ごすには俊敏さと直感と同時に抑制と無関心とが不可欠で
私の身体は重々しい忍び足のたびに軋み
(そんなことより私には食べ物が要った
ひとつでも不安要素の少ない食料を手に入れるために
私はゆっくりと急がねばならなかった
(悟られぬように・気取られぬように・巻き込まれぬように
(悟られぬように・気取られぬように・巻き込まれぬように
(悟られぬように・気取られぬように・巻き込まれぬように
(そこをゆくおまえよ
(おまえにはまだ望みがあるのか
忙しなく通りをゆく人びとの気配は私を眠りの底から叩き起こすが
私は骨の髄まで染み付いた緩慢な痛みのためにしばらく動き出すことが出来ない
(ここを出るって?
(タルタスから?
(ここではいつも誰かがそんな話をしていた
叶うことがないと知れるや、また別の誰かがその話を口にした
伝播した傍から潰えてゆく夢
(ここから出るって?
(この――
(アンジニティから?
(無数の口のあいだを同じ言葉が飛び交っている
(同じ言葉が(壁に
(同じ言葉が(壁に穴が
(同じ言葉が(壁に出口が!
(私はその波の中から抜け出さなくてはならなかった
ここで平穏無事に過ごすには俊敏さと直感と同時に抑制と無関心とが不可欠で
私の身体は重々しい忍び足のたびに軋み
(そんなことより私には食べ物が要った
ひとつでも不安要素の少ない食料を手に入れるために
私はゆっくりと急がねばならなかった
(悟られぬように・気取られぬように・巻き込まれぬように
(悟られぬように・気取られぬように・巻き込まれぬように
(悟られぬように・気取られぬように・巻き込まれぬように
(そこをゆくおまえよ
(おまえにはまだ望みがあるのか
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